本式映画反省会

2017-08-06

[]「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」

皆がんばってる(けんたおのけんの方ですら「まあでも、がんばって仗助演じてるよな…」と思わせる)、間違いなくみんながんばってるけど、容赦なく襲い掛かる「どうすんだこれ…この先…」感ね!

無限の住人」もそうだけど、三池作品を見る度に味わう羽目になる「実際おそらく、この監督じゃないと仕切れない大変な現場で、ちゃんと予算とスケジュール遵守で完成させる手腕こそが評価されてるんだろうけど、なんだろうこの…いつもいつも感じるすっきりしなさ…ぶっちゃけ面白くなさ…そしてこのテンポの絶妙な変さ加減は…」というモヤモヤと、それでいて何か、最後に残る、憎みきれなさね。不思議なんだよね。作品の中の何かをかすかにチャーミングだと感じている自分もいるのね。ふつう何本か見てダメなら「この監督の作品とか二度と見るかよ!」となるんだけど、意外としぶとく見ちゃってるんだよね。まあ「テラフォーマーズ」とか巧みにスルーしてるんだけどね。

三池作品って「この場面でそんな時間とるかな…このカットも長すぎないか…ってここは爆速で処理?ええ?んないい加減な」っての頻出するじゃないですか…これはもう体内時間というか生来のリズムやセンスの問題なんだと思うんだけど、うまいことつないでくれりゃすぐさま「あれ…面白い…いやこれ面白い!最高!」ってなるのに…いや今回のも、見てから家に戻ってシンゴジラのブルーレイ再生してみたんだけど、あまりに的確なカットとセリフの応酬が続くんで何か、何度も見てるのに完全におかしいんだけど、涙が浮かんできちゃってね…

ここ(シンゴジ)にある「積み重なっていく面白さ」が、何で一切無かったのかなーって…

積み重ねなんだよね。1カット1カットが、それぞれ微妙に「的確じゃない構図」であったり、セリフが適切でなかったり、特殊効果が微妙にチャチく見えてしまってたりの。選択の結果として。

康一くんを小柄な役者じゃなく神木くんにしたのは英断だったと思うんですよ。観月ありさ観月ありさ感(とは?)を最小にしてものすごくちゃんと脇を固めてたし、おじいちゃん役の國村隼もいつも通りナイス下支え。虹村形兆・億奏も評判通り良かった。岡田将生も新田真剣祐もここまで好演するとは。ギリギリのとこで成立させてて素晴らしかった。しかしこれ、敵側はかなり大胆にリストラされるな…

レッドホットチリペッパーくる…くるで…とウキウキしてたのにズコーっとなったよ。意外ではあったし狙いはわかるけど、そのスタンドにオリジナル能力加えんのダメだろ。「遠隔操作ゆえ条件を満たす行動をし続ける」がキモだろっつの。

2011-07-03

[]「デンデラ

映画の流れというか、運動として「こうあると盛り上がる」という型があると思うけど、それにいまいち則ってないので、どうもうまくいかない。そして話の流れだけではなく、「クマ」という大事な構成要素もどうにも残念なのでそれもまた足を引っ張って…。同じような、「人間より少し大きい怪物との死闘」を描く「グエムル」や「トレマーズ」と比較すると何がいかんのかよくわかる。

それもこれも基本的には監督の演出力と脚本の弱さに起因する。先行作品の徹底的な研究が必要で、「だいたいこんな感じだろ」じゃ快作にはならない。「実にユニークな作品」とか「怪作」あたり。

でもなあ、そういう快作は娯楽産業としての映画が隆盛な頃じゃないとなかなか成立しないよなー。ガンガン新作が作られてスタッフが鍛えられてるサイクルの中じゃないと、生まれないような気が…。量産体制にないところでそのテンポやコツを会得できるものなのかどうか…復元作業みたいなことになってくるからな…

2011-02-11

[]「ウォール・ストリート」

○出所後のゴードン・ゲッコーの行動がちゃんと描かれなくて不満。

○ゲッコーの娘が言いくるめられすぎ。

○主人公の新エネルギーへの思い入れに全く共感できない。

ジョシュ・ブローリンを陥れる決定的な証拠が提示されない。


まず期待してたのは「出所したゴードン・ゲッコーがどう動くのか」だったんだよね。予告編(もちろん本編冒頭も)で、刑務所を出る寸前に、受刑中の労働で得た賃金の小切手と、腕時計やら紙幣クリップやらでかい携帯電話を返却されるわけでさ。「ボーン・スプレマシー」とかの「手持ちの道具でどうにかする人」に痺れた身としては、こう振られたら「おお、こんな持ち物だけからどうやって状況立て直すのか!」って、つい思っちゃってね。

したらムショを出て早々に「7年後」になって、そこでまず「あれ…」ってなって。

それはまあ、こっちの勝手な思い入れってことでいいんだけど。

2010-11-27

[]「デイブレイカー」

なんだろう、「リベリオン」みたいに盛り上がりたかったのと。「トゥモロー・ワールド」みたいに本当っぽい世界を堪能したかったのの両方かな。イーサン・ホークといえばの「ガタカ」の格調高さも欲しかったか?

もうね、開始早々に、画面をコウモリが横切るあたりから不安になるんだよね。一個空けて隣にいたカップル客の女の人もそこで「プッ」て笑ったからね。その人、そこかしこで「プッ」って吹いてたんだけど、困った癖だよね。注意するかしないかで言うと、まあ注意するほどでもないなってくらいの微妙さなんだけどね。まあ吹かれるような映画なんだけどね。

2010-07-25

[]「エグザム」

「密室に男女数人入れて、映画作るとしたら」というお題を出されて、理屈で詰めて出してみた模範解答みたいな映画。「こう考えたのでこうなりました」ってのはわかるけど、そうやって理屈だけで映画作っても全然面白くならないこともよくわかる。

目に浮かぶよ、

「回想とかはナシですか?」

「試験会場からカメラを出したくない。緊張感を出したいんで」

「回想シーンがないとすると、絵柄が単調になりますよね…」

「じゃ、照明を変えよう。流れの中で照明ネタに自然に持っていける」

みたいな会話が。